人間の種族間争いと動物の線引き
過去の歴史を知り、振り返るたび、人間は猿なのだとつくづく感じる。
その猿っぷりを知るためには、別に遠い過去の歴史を勉強する必要もない。
21世紀になっても、相変わらず人間はチンパンジーの様に争っている。
20世紀後半、ルワンダ内戦でツチ族はフツ族を「ゴキブリ」と罵った。
元は同じ言語を話す種族だったのにも関わらず、少しの偏見とくだらないプライドは、
いとも簡単に人間を猿へと退化させる。
フツ族を見つけると、人間扱いをせず、原始的な武器で死ぬまで殴打する。
フツ族にエイズを流行らせようと、産まれてくる子供達にもエイズを広めるため、
すでにエイズにかかった男に、女性をレイプさせる。
最早猿よりも、醜悪で凶悪だ。
アフガニスタンでも同様、タリバンという教育に欠いた集団が暴力的手段で次々と、
人々を虐殺した。彼らは教育が足りない為、いとも簡単に洗脳され、自分自身に暗示をかける。
「自分達は正しい事をやっている。奴らは人間では無い、動物だ。」
彼らが人間に対して行う線引きは、私達が動物に対して行う線引きと良く似ている。
ルワンダでは、相手をゴキブリと罵る事で、非人道的扱いを正当化した。
アフガニスタンでは、反イスラム的だと人間的な行動を否定する事で、暴力を正当化した。
過去の戦争、あらゆる虐殺は、人間が人間を線引きする事で、凶悪な殺害方法を正当化した。
平和な先進国ですら、人間を差別し、動物を線引きしている。
私達は動物を、動物として見なす事によって彼らに対する虐殺を黙認している。
私達が動物だからといって線引きをし、彼らの悲鳴に耳を貸さないのは、
ルワンダ内戦でツチ族がフツ族の悲鳴に耳を貸さなかった事に似ている。
タリバン兵が拷問を受ける、同じアフガンの人々の悲鳴に耳を貸さない事に似ている。
ナチスがユダヤ人を線引きし、毒ガスで殺したのに似ている。
動物に対する機械的な虐殺に対し、目を向けていかない事には、
人間が人間を軽蔑し、大量殺人を正当化する行為を、封印する事は出来ない。
何故なら大量殺人を正当化する時に彼らは自分自身に暗示をかける。
彼らは対象となる人々を、虫や動物とみなし、人間扱いしない。
人間が動物を線引きする時に使う「動物だから・・・」という心理が存在する限り、
あなたはいつ、同じ人間に動物扱いされ、攻撃を受けるか分からない。