日本の闇を肌で感じ

日本に帰国してちょうど一年が過ぎた。
理由があり、帰国をしたものの、逆ホームシックがずっと続いている。

早くアメリカに戻りたい。
大好きな友人達とハグをし、笑顔が綺麗で真っ直ぐな彼らと時間を共有したい。

アメリカで癒されていた私の心は、日本へ帰国してまた曇ってしまった様だ。

日本は汚れすぎている。
何が美しい国だろう？

いい加減失われた過去の遺産にしがみついて威勢を張るのは止めたらどうだろうか？

今の日本は、「変態ビジネスマンの国」と下半身のだらしなさを笑われ、
ＡＶ輸出国、ロリコンの巣窟として、あまりに有名になってしまった。

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http://www.bbc.com/news/magazine-30698640
[BBC news, James Fletcher, 和約：なぜ日本は児童ポルノを禁止する事ができないのか？, 2015.01.07]
見出し訳：日本の漫画やアニメは世界でも有名な文化産業である。しかし子供達が性的な対象として登場するストーリーがあるのは衝撃的だ。なぜ日本はこれらの商品を禁止しないのか？

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日本にしばらく滞在していたドイツ人と会話していた時の彼の言葉が忘れられない。

「日本は美しい国だよ。そこに日本人がいなければね。」

何も言い返す言葉が無かった。
昔の日本人が作ってきた伝統的な建造物、八百万の神を崇める謙虚な心、今の日本人が失いかけている過去の遺物は、現代を生きる私の目から見ても、確かに美しい。

今の日本を見渡すとどうだろう？

利己主義で物欲にまみれた人々。
自分の行為やそれまでの人生を顧みる事もせず、他の粗さがしをし、嘲笑だけは一人前。
ギャンブル、風俗、食欲、あらゆる欲望に従順な、自己を律する事を忘れた人々。
表面だけ飾り、高価な物を身につけ、表面的な美や、媚びを売るような仕草を求め、本来活かされるべき個々の人間性、自然体の姿を捉える視力を最早失ってしまっている。

まるで正反対だ。
私がカリフォルニアで生活し、吸収し、居心地の良さを感じていた人々の価値観と、この日本で感じざるを得ないどんよりとした生活感は、まるで正反対だ。

・他人を自分の目線で評価しない事。
・議論は議論であり、喧嘩ではないという普遍の価値観。
・目が合えばまずにっこりとほほ笑み、お店のドアは次に入りそうな人がいれば空けて待つ。
・家族の絆は何よりも強く、男女はお互いを「人格のある人間として」扱う事。
・宗教、国籍、人種、性別によって、差別をしない。

こういった事が当たり前のように浸透しているカリフォルニアで生活し、私自身の価値観に合致していたため、いつの間にかそれを常識としてしまっていた。
日本に帰国し、人々の道徳観が不安定で、人と人の間に不信感や偏見が蔓延ってしまっている事に軽くショックを受けた。

問題は多角的かつ複雑で、とても一言で表現できるモノではない。

・日本国内にいて、得られる情報が限られすぎている事。（井の中の蛙になってしまっている）
・欲望を助長させるモノ、情報は溢れかえっているのに、自浄作用をもたらすための機会を得る事がとても難しい。人間は欲望によって得られる快楽を追求する事と同じくらいに、他人へ良心を働かせる事によって得られる快感も必要としているにもかかわらず、その表現方法や実践方法を学び辛い環境に置かれている。
・現代社会の歪なゆがみは、ＧＨＱの支配下に置かれてから始まったと言う人も多い。私もほぼ同意見だ。理由はとても一日記に書ききれるものではないので割愛する。

とにかく、個々人のミクロな範囲から、日本の政治といったマクロな範囲においても、支えるべき柱が細くなりすぎていて、不安定になっている。

人の欲望に付け込み、その人間を骨抜きにし、正常でない状態にしてしまう事はとても簡単なのだ。
正常という状態がどのようなモノか定義する事は難しいが、かの偉大な哲学者イマヌエル・カントは、本能的な欲求に従う行為を、
”自己がそれら欲求の奴隷になっているに過ぎず、自立した意思を欠いた不自由な状態である”
と説いた。

また、功利主義者の一人であるジョン・スチュアート・ミルの有名な言葉にもこういったものがある。
”満足した豚であるより、不満足な人間であるほうがよく、 満足した馬鹿であるより不満足なソクラテスであるほうがよい。”

より動物的な欲求に従う行為は、カント風にいえば欲求の奴隷になり下がっている状態であり、ミル風にいえば、豚と同じ程度の欲求を満たすことで満足してしまう馬鹿。（それよりは、満足は得られなくとも考える人間でありたい。）という事になる。

現代の日本人は悲しいかな、この奴隷状態で満足してしまっている”豚”があまりに多いように思えてならない。

そして、絶望的に思えて仕方ないのは、
これらに気付きもしない、気付いていても気にも留めない、そんな精神性に乏しい落ちぶれた人間を社会が大量生産しているという事だ。

こんな社会にしてしまった政治家、官僚、ダメすぎやろ。

今まで女性を奥に押しやって、社会を作ってきた男性のみなさんには、しっかりと反省してもらいたい。あなた達が不甲斐ないため、日本はこうなってしまった。
ルワンダを知れば分かる。欲望や狂気が渦巻く社会を正常化させるには、女性の力が必要なのだと。