アセンションとキリスト教

近頃ネット上でやたらと「アセンション」という言葉を目にするようになった。

実際は10年前くらいから”精神的次元上昇”という言葉は目にしていたが、「私は金星から来た」のオムネクオネクさんの本を読んだ時が、最初に目にした時だったかな。

最近の状況をみると、その精神的次元上昇がアセンションと呼ばれる様になり、本来宇宙的な事象として使われていた言葉が、この頃はどうもキリスト教的なストーリを取り込み、新興宗教化しつつあるように見える。

「アセンションをしよう!」

そういう人々のやる気や意思を否定するつもりは無い。
アセンションの真実性はともかくとして、ポジティブな思考を持とうとする傾向、他人に対し親切であろうとする姿勢が同時に語られることから、それは全く良い行動であると思う。

ただし、「アセンション出来ない人は低次元の苦しみから解放されない」や、「アセンションの最終目的は天国へ行き神格化する事である」といった、あからさまなキリスト教の匂いをプンプンさせている人々がある一定で存在するのは頂けない。

これらは、ノアの箱舟や、天使と悪魔、といったキリスト教的ストーリーを彷彿とさせる。

ところが、「アセンションはカルマの浄化」といったような、今度はヒンズー教をベースとした説を同時に展開しているのも多々散見する。


アセンションについての歴史は詳しくは存じませんが、私が最初に見たアムネクさんの本でも、カルマについて語られていたことから考えて、元々は金星人といった宇宙人の存在に、カルマという東洋思想を織り込んだものが、そもそもの中核的思想だったのだと推測します。

それ以前にも宇宙人とのコンタクトを題材にしたアダムスキーさんの本で、宇宙人は人類よりも高度に発達した文明と思想を持っているといった記述もあったと思います。

要は、現在日本のネット上で見られる「アセンション」とそれに類する物の一部が、本来の「宇宙的多次元世界への理解」から歪曲され、選民的思想を持ったキリスト教的な天使と悪魔の戦い、そしてアセンション出来ないものは天国へ行けないといった、またもや人間臭い強迫観念を植え付けて洗脳させる手法へ変化しつつある事から、とても胡散臭さを感じずにおれません。


キリスト教自体は個人的にあまり好きではありませんが、宗教自体は人の精神を安定させ、強くさせる作用を持つことから、真っ向否定するつもりもありません。
キリスト教も、良い面もたくさんあります。

ただ、終末思想や選民思想、強迫観念を植え付けて洗脳する手法は、度々人々の信仰心に付け込み、誤った方向へ進ませる起爆剤になりかねませんので、ハマりすぎないようにして欲しい。


最近はこれに更に、イルミナティーやらロスチャイルドやら、世界の裏社会とかいった壮大な話が付けくわえられ、益々混乱しているようです。

アメリカはピラミッド社会ですので、そういった勢力があるのも事実なのでしょうが、それを悪の中枢だとか、人類の敵であるとか、ひどい場合になると、悪い宇宙人が憑依しているだの、、、正直、日本、大丈夫か?と心配になってくるレベル。

一体誰がこんなトンデモ話を日本に輸入してるんだよ、と。
ある程度アメリカ社会に精通して、英語も日本語も理解できる人物がやってるんでしょうが、そういった人物がわざわざそんなトンデモ話を日本で広めようとする背景には何か目的があるのか、その辺が妙に気になって仕方ないこの頃です。


しかし、日本は様々な面で非常に混乱しているように見えます。日本本来の文化と宗教が消えていく中、精神的支柱がぐらつき、アメリカからは表面上友好的に、しかし裏ではしっかりと首を絞められ、右往左往するしかない。
日本人としてのアイデンテティーが失われつつあるという事は、自己肯定感の欠如に繋がります。
また、性風俗の乱れも著しく、世代間、男女間、家族間の信頼関係がどんどん損なわれている現在、精神不安定で倫理観の欠如した人間が増え、益々社会が混乱するのではないかと心配です。


絶望的な事に、その解決策が今のところ見当たらない。
女性がより政治の世界で力を持つようになれば、変わるかもしれない。少なくとも、政治家の4割は女性にする事。それが今のところ一番の早道だと思います。
それ以外には、残念ながら旧時代的な武力による行使であるとか、(アメリカ支配から抜けるために)科学力を超発展させるとか、そいういう非現実的な方法しか思いつかない。


究極の話、男性は女性の為に命を捨てるのです。女性が彼らの精神的主柱になるのです。
それが、現在日本の女性はあらゆるメディアによって侮辱され、貶められています。
日本のポルノは世界で有名になり、日本人の性的趣向はすでに「変態文化」として広まってしまいました。もちろんこれらを好意的に受け入れる人間は少なく、結局アジア人は科学力だけでなく、精神性においても劣っていると、内面思われても仕方の無い状況です。そして日本の男性は守るべきものに価値を見いだせず、次第に自己の存在意義を見いだせなくなる。女性もそんな男性たちに愛想を尽かし始めている。


ここ100年で、白人たちによりアジアの国家は多くが植民地化され、奴隷の様に扱われました。肌の色による人種差別は、結局は科学力もしくは精神性といったところで、上回る事でしか払拭できないのです。

科学力ではほぼ均衡している現在、アジア人としてバイアスがかかっている分、倫理面、精神面において、是非とも白人を上回り(個人レベル、国家レベルで)、日本がアジアの各国から期待されているように、アジアのリーダーとして堂々と誇れる国になって欲しいと願うばかりです。


これは各国、各人種が競争ではなく、共栄する為に必要な要素だと思っています。